CAD見積システム

(1)オンライン設計段階で必要な原価見積
オンライン設計段階では、どのような見積が必要になるか検討してみよう。図表1に示すように、オンライン設計段階は、製品企画、製品システム設計、製品パラメータ設計、製品許容差設計、工程システム設計、工程パラメータ設計、工程許容差設計の各ステージから成る。

図表1

製品企画や製品システム設計のステージでは、開発設計対象製品の設計仕様、特性値や性能を対象とした「機能」別の原価見積が必要である。

一方、開発ステージの後半では、具体的な図面が完成するので、“この製品の原価”は、“このユニットの原価”は、“この部品の原価”はといった「構造」別の原価見積が重要となる。

この様にオンライン設計で開発設計者に必要な原価見積は、見積の対象が製品・ユニット・部品などの「構造」であるか、設計仕様や特性を示す「機能」であるかによって、「構造別原価見積」と「機能別原価見積」に分類できる。

生産技術者は、工程システム設計、工程パラメータ設計により部品の加工工法や製品の組立工法を検討し、最小工程・最小工数となる工程を設計する。ここでは製品の機能や構造という概念よりも、ラインや工程、最適設備、作業方法や手順を意識した工程別加工費の原価を算定する。

CADによる設計時に必要な見積は、機能別原価見積りと構造別原価見積りである。機能別原価は一括見積方式、構造別原価見積は積算方式または一括方式で原価を算定する。

構想設計や基本設計の段階では、「機能別コストテーブル」や「構造別コストテーブル」により一括見積方式で原価見積を行なう。そして、オンライン設計終了時のコストダウン評価を算定する段階では、積算見積方式で詳細な原価を算定する。一括見積方式、積算見積方式のいずれの方法でも、見積に必要なコストテーブルと原価見積りの計算手順さえ明確になっていればCAD見積システムは構築できる。

(2)CAD見積システムの構築手順
CAD見積システムの構築は図表2に示す、「フィジビリティースタディー(可能性研究)」、「プロトタイプ構築とデータベース構築」、「運用システム構築」の3ステップで進める。

図表2

■ Step1:フィジビリティースタディー

フィジビリティースタディー(可能性研究)では、図表3に示す「プロセス(業務)面」、「コンピュータシステム面」、「データベース面」について検討する。

図表3


■ Step2:プロトタイプの構築

フィジビリティースタディ(可能性研究)の結果より、CAD見積に組込む機能を整理する。

図表4に示す企業では、品番・品名・構成部品単位に見積原価を設定する。その内訳は、“材料費”、“加工費”、“外注費”、“購入品費”、“金型費”である。 材料費は、「単価×消費量」で算定する。消費量の計算は、CADシステム上で面・体積計算を行ない、最適歩留になる材料取りをシミュレーションすることで求める。加工費は、工程・設備別に「加工費レート×標準時間」、「設備費レート×標準時間」で算定することを決定した。

図表4


(3)CAD見積システムの構築例
図表5はA社で構築したCAD共生見積システムの機能構成図である。カストマイズ領域内に見られる各種コストテーブルと見積機能をCADシステム上に構築することで、CAD見積システムを実現した。

図表5




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