コストパフォーマンスが高すぎのSeiko5
コストパフォーマンスが高すぎのSeiko5
何故か今日はジャパニーズ・ブランドの雄、
セイコーさんについてちょっとだけ、勝手な事を書いてみるのです。
日本のメーカーサン達が作る時計達、
例外なく恐ろしくコストパフォーマンスが馬鹿高いのです。
これについては他の国のどんなブランドを持ってしても全く太刀打ち出来ないはずです。
しかも、今では当たり前のこの機能、
実はセイコーさんが、シチズンさんが、オリエントさんが、カシオサンが
世界で初めて商品化したんですよ!!!!
なんてネタがゴロゴロしているのです。
これについてはまた別の機会に書こうかな、
と思っていますので今は書きませんが、
スイスブランドさん達に言わせれば実は技術力で
日本ブランドに勝てていない、ましてや日本に先を越された、
なんて部分が色々ある事をどうしても認めたくないようで、
スイスブランドさん達に入れ込みすぎていると
そんな事に気付かないような仕組みになっているような気がしてならないのです。
そうです。
スイスメーカーさん達は、スイスが時計王国でなければならないのです。
ということで、例えばセイコーさんのここが凄い、
なんて書き始めると収集がつかなくなりそうですので、
今日は海外モデルとして今でも生産が続けられていて、
結構今でも人気があり、結構今でも売れているセイコー5について
書いてみるのです。
ちなみにセイコー5のファイブとは、
・防水ケース
・デイデイト表示
・自動巻
・ダイヤショック対震装置
・ダイヤフレックス・メインスプリング
以上の5つの特徴を持っていることからのネーミングらしいです。
しかし何より凄いと思うのは、
なんでそんなに安く売れるの?!
ってところでしょうか。
確かに手巻き機能はありません。
確かにサファイヤクリスタルは使ってません。
ブレスはマキ・タイプで高級感はかなり控えめです。
確かにケースのフィニッシュは甘いかもしれません。
しかし。
自社製自動巻ムーブメントをステンレスケースに収め、
経験上日差+20秒程度に収まっているのです。
いくらムーブメントの基本設計が優れていても
手作業による組み立てや調整等が全く不要なはずがありません。
しかもここまで恐ろしく初期不良が少なくて、
何故か1万円くらい出せば買えてしまう時計、
他に知りません。
さらにはネット上の流通のマジックにより、
その半額くらいで買えてしまう事も少なくなかったりします。
こうなると、例えばインターサンのマーク16の100分の1の価格、という事になります。
別物ですから一緒にしてはいけませんが。
私も卸売業の方で相当な数(多分累計すると数十万本!?)販売させていただきましたが、
とにかく優秀であります。
ちゃんと、ゼンマイ式の時計のいじらしさを感じる事が出来ます。
ちゃんと、セイコーさんらしさが隅々まで現れています。
もちろん、定期的なメンテナンスを繰り返せば、末永くご愛用いただけると思います。
そんな素晴らしい時計にも、大変な弱点があります。
そうです。
メンテナンスにかかるコストが、
新品を買える値段を簡単に超えてしまうのです。
例えば3年使って、適当にくたびれてきた所でメンテナンスに出すとします。
もちろんお手入れをしてあげれば、ムーブメントはとっても元気になる事でしょう。
精度だって新品のときよりよくなる場合も少なくないことでしょう。
しかし、いくら1万円の時計とはいえ自動巻ムーブメントは自動巻ムーブメントなわけで、
職人さんの手間は一般的なスイス時計と変わらないのです。
セイコー5の核となるムーブメント、セイコー7S26は21石です。
現代的一般的標準的機械式時計の最小石数は17石程度ですから、
ヘタをしますとセイコー5の方が部品数が多い、なんてこともあり得るのです。
これは日本ブランドのコストパフォーマンスの凄さを
分かりやすく思い知らされる事実の一つに過ぎません。
でも実はこんな話、ゴロゴロしているのです。
卸売りをやっていましてよく、
「海外のみんな知らなくてかっこいいブランドの時計、何かない?」
と聞かれますが、多少デザインがカッコいい程度で、
カシオさんが作れば¥8,800くらいで売れるであろう品質の時計を
¥29,800でお客様にお勧めするわけにはいかないのであります。
みなさん、もっと品質も気にしようではありませんか・・・・
なんて事ばかり言っているから
私はいつまでたっても儲からないのでしょうが。
2010年6月3日木曜日