【ZIPPO Money-Clip Knife】
1971年発売。
1964年に発売されたPocket Knifeの裏面にマネークリップが装着されている。
Money−Clip Knifeの発売年については諸説ある。
ZIPPO The Great American Lighter(David Poore氏著)」では1971年発売、
ZIPPO HANDBOOK2001(かとう ともゆき氏著)」と
Goods Press1998年2月号 ジッポーの虚像と実像Vol.10(きとう ひろし氏著)」では1973年発売となっている。
一方、1971年版のZIPPO社セールスマンカタログにはMoney−Clip Knifeの掲載はなく、
掲載されるのは1972年版のセールスマンカタログからである。
ZIPPO社発行の注文確認書より、ここでは1971年を発売年として記載することとする。

Money-Clip Knife BOX
ヤスリ側 ナイフ側 蓋(表) 蓋(裏) サイド 下箱
1971年 【1971〜1980年頃】
ヤスリ部分の付け根に「ZIPPO BRADFORD PA USA」の刻印がある 付け根部分の刻印はヤスリ側と同じ「ZIPPO BRADFORD PA USA」

Money-Clip Knifeの元になったPocket Knifeでは、1960年代後半までヤスリ部分の色・ロゴ・歯数・パターン等が変更され続けたが、それらは1969年頃には落ち着き、1971年に発売されたMoney-Clip Knifeにおいてはヤスリ部分、ナイフ部分とも殆ど変化がない。

                   <1971〜1972年>
 蓋(表):銀色の箱。箱のサイズは当時のスリムZIPPO用の箱とほぼ同じ
      5.3cm×8.2cm。但し、箱の厚みは0.9cmしかない。
 蓋(裏):印字無し。
 サイド:ラウンド状の切込みがある。
 下箱:黒色の下箱に黒色の台紙。
台紙は厚紙を3枚重ねてあり、それにより
     マネークリップ部分の厚みを納める空間を作り出している。

     上段に「ZIPPO money-clip knife」、箱底面に「A PRODUCT OF
     ZIPPO MANUFACTURING CO. BRADFORD,PENSYLVANIA.」の表記。
1972年
                      <1972年>
 下箱:台紙の上段から「ZIPPO money-clip knife」の表記がなくなり、
     箱底面の印字もなくなった。それ以外は前期から変更無し。
                   <1972〜1976年>
 蓋(表):箱のサイズが当時のレギュラーZIPPO用の箱とほぼ同じ5.8cm×8.3cmへ
      変更。箱の厚みも1.5cmへ。
 蓋(裏):下箱にプラスチック台紙が設置されるようになった為、箱底面にあった印刷は
      蓋裏に移動した。
 サイド:ラウンド状の切込みがなくなった。
 下箱:プラスチック台紙へ変更。
1973年
1974年
1975年
1976年
1977年
                      <1977年前期>
 蓋(表):同時期に仕様変更されたZIPPO Pocket Knifeの箱に「WITH MONEY CLIP」の
      シールを貼った新箱に変更。蓋が組み立て式になり、紙の材質も薄いものに変更。
      1978年からの新ロゴ箱へ切り替えるまでの過渡期的な対応だが、シールが剥が
      れてしまうと、外観からはPocket Knifeとの区別が付かなくなるため、短期間で下の
      タイプに変更された。
 蓋(裏):印字がスタンプから印刷に変更。
 下箱:下箱も組み立て式になり、紙の材質も薄いものに変更。
     下箱の色は金色(黄土色)に変更。
                      <1977年後期>
 蓋(表):白色の箱に赤文字でZIPPOロゴが入った新箱に変更。
      元々ZIPPO Money−Clip Knifeの箱は銀色だったが、紙の材質を変更したため
      従来のような銀色を再現できず、やむなく白色ベースの箱になったと思われる。
      実際に1977年からのZIPPO Pocket Knifeの箱も、紙の材質変更に伴い
      それ以前の金色からあまり美しくない黄土色になってしまっている。
1978年
                   <1978〜1983年>
 蓋(表):ゴシック体の新ロゴデザインに変更。
 蓋(裏):印刷内容は同じだが、フォントタイプが変更。
 下箱:下箱の色が黒色に変更。
1979年
1980年 【1980年頃〜】
ZIPPOロゴが、炎をあしらった新ロゴに変更。「USA」の刻印がない。 ヤスリ側と同様

【Ultralite Money-ClipKnife】
ZIPPO Money-Clip Knifeをベースに、ライターのUltraliteと同様のアクリルチップが接着されている。ネーム枠付き。色はアイボリーとブラックの2種類。1980年頃発売された。

 

 右上画像の右側のようにマネークリップの長さが短くなった。
 (変更時期は1980年代後半〜1990年代前半頃?)

1981年
1982年
1983年

ナイフ部分やマネークリップも
含め全て金メッキされている
                      <1983年>
 蓋(表):創業50年を超えた翌年の1983年にのみ使用された、黒地に金色の文字を使った
      限定箱。元々はライター用に作られた限定箱だが、箱下面にKNIFEであることを
      示すシールを貼ってZIPPO Money−Clip Knifeにも用いられた。
 蓋(裏):印字無し。
 下箱:金色の下箱。
                   <1983〜1989年>
 黒色プラスチックケースに変更。下段の文字は「WORKS... OR WE FIX IT FREE」。
 Pocket Knifeと共通のケース。
1984年
1985年
1986年
                   <1986〜2003年>
 ZIPPOロゴの下に「U.S.A. KNIFE」の表記が追加。
 下段の文字が「LIFETIME GUARANTEE」に変更。底面中央の穴がなくなった。
 Pocket Knifeと共通のケース。
1987年
1988年
1989年
1990年

2003年

2003年まではZIPPO社のカタログに掲載されていたが、2004年にカタログから外れた。2004年から2007年までは
Zippo Promotional Products Divisionを通じて主にビジネス用ギフト品として販売されていたが、2007年12月21日、同部門は閉鎖。
その後、米国Leed's社との間でライセンス契約が結ばれ、2008年1月1日からはLeed's社が米国とカナダでの供給会社となっている模様。

Money-Clip Knife