OGAWA−Tei
最近観た映画(2006年〜2010年)
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タイトル 監督/主演 製作年
/国
コメント 
NO

<2012年>



★★ のぼうの城 犬童一心/樋口真嗣
野村萬斎
佐藤浩市
榮倉奈々
2011
日本
「豊臣軍にケンカを売った、でくのぼうがいた」−成田長親その人である。忍城の総大将たる長親は、将に求められる武勇も智謀も持たない、その名の通りでくのぼうのような男。だがこの男にはただ一つ、他人に好かれる才能、特に異常なほどの民からの人気があったらしい。ロケ地を北海道に設営し、迫力のある映像を作っている。ラストの盛り上がりにかけるが、史実に基づくという触れ込みである以上致し方ないかもしれない。 1

<2011年>



★★★ レイルウェイズ 錦織良成
中井貴一
高島礼子
本仮屋ユイカ
2011
日本
良くできた映画だ。おふざけでもなく、肩が凝ることもなく、清々しさが残る。サブタイトルは『49歳で電車の運転士になった男の物語』。「男は人生を二度生きる」なんて大げさな物言いをしなくてもいい。”もういいんじゃないですか。もう、そろそろ自分の好きな事をしてもいいのではないでしょうか。社会や時代の変化も、いつまでも右肩上がりは無理だと、言っているのではないでしょうか。”−多くの人がそう思っていても、実際に行動に移すのは勇気のある人だけだ。 5
★★★ 幸せの黄色いハンカチ 山田洋次
阿部寛
堀北真希
濱田岳
2011
日本
オリジナルは1977年公開。このときは高倉健、桃井かおり、武田鉄也、倍賞千恵子らが出演し、第一回の日本アカデミー賞を受賞している。それから四半世紀を経て、リメイク版を同じ山田洋次監督が撮った。欽也(濱田)がいい味を出し、朱美(堀北)はキレイで、勇作(阿部)は渋い。時代を超えても、テーマが普遍であれば、見る人の印象も不変である。結末がわかっていても、興味深く観る者を惹きつける。 4

ラストサムライ エドワード・ズウィック
トム・クルーズ
渡辺謙
真田広之
小雪
2003
米国
明治初期の日本。捕虜となったオールグレン(トム)は数ヶ月で武士道をマスターし、最後の戦いへと物語りは進む。 結果、オールグレン一人を残し全滅した。政府軍に囲まれ傷ついた勝元(渡辺)は、信頼するオールグレンにとどめを刺すよう頼み、こと切れる。ここで、政府軍の兵士たちは勝元の死に様に涙し、敬意を表し跪いて頭を垂れたのである。生き残ったオールグレンは天皇に拝謁し、勝元の遺刀を渡す。それは日本が真に近代国家に生まれ変わるための、勝元からのメッセージであった。 3
ジャンプ HEROES film 『ONE PIECE 3D 麦わらチェイス』『トリコ3D 開幕!グルメアドベンチャー!!』 佐藤宏幸
志水淳児
2011
日本
尾田栄一郎氏原作の、『ONE PIECE』は世代を問わず、大人気だ。春休み用に製作されたと思われる豪華2本立てらしいが、1本はわずか30分。サウザンド・サニー号で、ある朝ルフィが目覚めると、なんと麦わら帽子が消えてしまったのだ! 命よりも大切な宝物で、「海賊王に俺はなる!」と誓った日から、どんなピンチでも手放さなかった麦わら帽子を仲間たちも力を合わせて、“麦わら一味”の絆を懸けた一大争奪戦へ舵をとる! 2

おとうと 山田洋次 
吉永小百合
笑福亭鶴瓶
蒼井優、
2009
日本
鶴瓶の演技が光る。「おふざけ」は一生懸命の裏返しだ。「おふざけ」ばかりだとなんの共感も感動も起きないが、シリアスとユーモアのバランスが絶妙だ。破天荒に生きた鉄郎(鶴瓶)の人生の終末を、姉と弟のさり気ない会話や表情や仕草を通じて、淡々と描く。当事者にしか分からない心の結びつきを表している。家族の絆が薄れつつあるこの時代に、改めて家族のあり方を見つめさせてくれる暗くて明るい物語だ。 1

<2010年>




The Losers シルヴァン・ホワイト
ゾーイ・サルダナ
ジェフリー・ディーン・モーガン
2010
米国
アメリカでヒットしなかったため、日本では劇場公開されなかったらしいが、
単純に楽しめる。ボリビアでの任務で裏切りにあったチームは、その復讐を
企てる。チームは作戦とまとめ役のクレイ、IT関係担当のジェンセン、長距
離射撃担当のクーガー、輸送と重火器担当のプーチ、爆薬と戦術担当のロ
ークの5人。そこに、謎の女性アイシャが加わる。それぞれが際立ったキャラ
クターであり、会話も楽しい。(フランクフルト→成田の飛行機にて)
4
瞬−またたき 磯村一路
北川景子
大塚寧々
岡田将生
2010
日本
河原れん原作。バイク事故で恋人を失った主人公(北川)が、その失った記憶を取り戻す。事故の瞬間、絵の道を志すその恋人にとっては致命的とも言えるモノを失う状況が展開されていた。自らも負傷しながらも、そのモノを探し、必死で止血する様は痛々しい。全体的には、暗くはないが、静かな印象。(フランクフルト→成田の飛行機にて) 3

ジェネラル・リュー
ジュの凱旋
中村義洋
竹内結子
阿部寛
堺雅人
2009
日本
海堂尊原作。堺雅人扮する救急救命センター長が格好いい。ストーリーとは関係ないが、大量の患者を「黒」「赤」「黄」「青」に一瞬にして区別する様子はまさに戦場だ。「黒」は死んでいるか、生きていても、手間がかかる患者を指す。その手間を「赤」にかければ複数人の命が助かるので、「黒」は見捨てる。非情ながらも、全体最適ということなんだろう。(フランクフルト→成田の飛行機にて) 2

孤高のメス 成島出
堤真一
夏川結衣
2010
日本
潰れかけの市民病院に赴任してきた外科医の当麻鉄彦は、保身のための無責任な手術や患者のたらいまわしを繰り返すその病院で、患者を第一に考えた処置で淡々と手術をこなしていく。「先生のオペには気負いもてらいもない。正確で緻密な作業をコツコツ積み上げていく」と看護師に言わしめるその姿は清々しい。いい加減な医師役の生瀬勝久、と市長役の柄本明は堤真一とのギャップの演出効果はあるとは言え、やややりすぎ/はしゃぎすぎの感あり。

<2009年>




ボーン・アイデンテ
ィティ 
ダグ・リーマン
マット・デイモン
フランカ・ポテンテ
2002
米国
記憶喪失のことを英語で、amnesiaと言う。記憶を失った主人公が、自分のアイデンティティを探す、というよくあるパターンの娯楽映画。パターンとしてはよくあるが、映画としては上出来。何年かぶりに途中で居眠りをしなくて済む映画だった。ド派手なアクションシーンがあるわけでもないが、凛とした緊張感がある。
1

<2008年>  


崖の上のポニョ 宮崎駿 2008
日本
5歳児を連れて、劇場で観た。5歳児は居眠りしなかったが、パパは半分以上寝ていた。ストーリーはないが、絵はキレイで、会話は巧妙。ポニョの発した”好き。ダーイ好き”という音は耳から離れない。ポニョが大海原の波の上を駆け抜ける絵は網膜に焼き付いている。
1

<2007年>





フラガール 李相日
松雪泰子
蒼井優
豊川悦司
2006
日本
福島県にあるスパリゾートハワイアンズは、常磐炭鉱衰退時の町おこしで出来たものらしい。主人公のフラダンスの先生は、今も健在のカレイナニ早川(早川和子)さんだそうだ。気楽に観ることができるのでマル。ただし、直接的には描かれていないが、炭鉱で働いていた人の辛さを思うと重い。炭鉱に入る兄(トヨエツ)と舞台で脚光を浴びる妹(蒼井)はともに”作られた”笑顔なのかもしれない。
5

座頭市 北野武
ビートたけし
浅野忠信
岸部一徳
2003
日本
キレイな映像である。タップダンスのシーンは賛否両論というよりも、否定的
な意見が多いようだが、”好きなように撮るんだ”という監督の意思は伝わっ
てくる。単純に、ケの世界とハレの世界を表現したかったのではないかと思
う。日常と非日常、過剰と蕩尽、俗と聖、すべてが二項対立ではないが、そ
の区別・区分は 曖昧になっているような気がする。
4

博士の愛した数式 小泉尭史
寺尾聰
深津絵里
吉岡秀隆
2005
日本
芥川賞作家小川洋子原作。ほのぼの系の映画となっている。昔は偉い数学
者 であった”博士”だが、今は基本的にはボケ老人。ただし、身体に染み込
んだ数 学の知識は呆けたりしない。そんな単なるボケではない主人公を寺
尾聰が巧く 演じている。
3
男たちの大和 佐藤純彌
反町隆史
中村獅童(
仲代達矢
鈴木京香
2005
日本
俳優陣は豪華である。YAMATOも豪華である。爆撃シーンも良く出来てい
る。かなりお金をかけている作品だ。逆に言うと、お金をかけただけ、と見え
なくもな い。戦争で死ぬのも辛いが、仲間が死ぬ中で生き残るのも辛い−
戦争などない方がいいが(当たり前)、至るところで今も行われている。
2

半落ち 佐々部清
寺尾聰
原田美枝子
2004
日本
原作の方がイイ。映画では「空白の2日間」の理由がよくわからない。なぜ、
主人公が逮捕後の取調べや裁判でなかなか口を開かないのか、その理由
もよくわからない。骨髄移植ドナー登録が50歳までの年齢制限があることを
知らしめることには大きな貢献をしている。このメッセージだけは強烈だ。
1

<2006年>  



 なし